企業のための確定拠出年金
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発売日: 2007-05-11
発売元: 東洋経済新報社
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素人の資金を株式市場へと運ぶ陰謀
私の会社でも今年から確定拠出年金制度が導入された。その際、事前説明を行なったのが本書の執筆陣である金融グループの担当者であった。その時に分厚い資料を渡されたが、本書の構成・内容はそのテキストとほぼ一致している。
確定拠出年金と言っても元本保証型のプランを選ぶ事も可能だが、物価上昇の可能性を考えると、本当の意味での"元本保証"になっているか不明である。また、普段株式に投資した事がない者(大半がそう)にとって、禁断の実に手を伸ばして見たい(そして儲けたい)と言う自然な欲求がある。それで、多くの同僚がある程度、国内外の株式に投資したようだ。そしてこの11月、半年間の運用結果報告が返って来た。米サブプライムローン問題による株式市場の低迷も影響して、株式に投資した者は軒並みマイナスになったようだ。何故分かったかと言うと、結果報告を見てマイナスになった者が怒りの余り社内ブログに投稿し、それに続いて我も我もとマイナスの報告をしたからだ(プラスの者は黙っていただけかもしれない)。マイナスを確実に回避するには元本保証型のプランを選ぶしかないが、上述の通り心理的に、この際株式に投資して見たいという力が働く。確定拠出年金制度と言うのは、バブル以降株式市場から離れた個人投資家の代わりに、株の素人である一般従業員の退職金を株式市場に投入するための陰謀なのではと真剣に思う。専門家の明快な説明を聞きたい。
制度施行から5年間の試行錯誤を網羅
確定拠出年金に関する書籍と言えば、制度導入が叫ばれていた90年代末から2000年初頭は雨後のタケノコの如く刊行されていたものの、施行後はそれが嘘のように沈静化、今や毎年改訂されているのはDC資格関連の参考書・問題集だけという衰退ぶりなのはもはや知る人ぞ知るところ。
しかしそんな折、久々に歯応えのあるDC本が刊行された。本書は、実際に制度導入・運営を手掛けている金融機関によるものだけに、実務に裏打ちされた解説が特徴。内容的には過去の自社主催セミナーの資料を繋ぎ合わせただけとも言えなくもないが、こうした一連の形でまとめられたものはないだけに、資料としての利便性は却って高い。まさに制度施行から5年間の金融機関の試行錯誤を一冊に凝縮した内容。
